日本って素晴らしい

院生のつぶやき

2014年1月28日火曜日

【映画】ホビットを観て戦争を考える【ネタバレあり】




ホビットを観たら超面白かった。

ロードオブザリングでは脇役に徹していたビルボ・バギンズの物語。
ビルボはいつ指輪を拾ったのか。ロードオブザリングでは存在感の薄かったドワーフ達は昔どうしていたのか。そんなお話。
どうやらホビットも三部作らしいが十分期待できる仕上がりでしたね。


さて、超面白かったと書いたが、正直自分はロードオブザリングより面白かったと思っている。
「それはない」と思われる方のため、どう面白いのかをまとめる。


まず一つ。
びっくりするほど完全ファンタジーな所。

ロードオブザリングでは恋愛要素もあり、人種間のしがらみもあり。極めつけは、本筋である「指輪」以外にもたくさんのストーリーが存在し、それらが混在しながらも並行して進んでいく。
(ローハンだのゴンドールだののことです。)
それが面白いのだけれど、正直原作知らない人が理解するのは結構大変。
理解している人にとっても、結構複雑で忙しい映画に仕上がっている。



それに引き換えホビットの清々しさといったら!
恋愛ゼロ!多数の視点もなし!ひたすら14人で冒険をする何とも爽快な王道ファンタジー!
ロードオブザリングの世界観好きな人にはたまらないです、ホント。



二つ目。
ドワーフ達が本当にかっこいい。
かっこいい。男たるものこうありたいと思える理想のキャラ。
基本的に冗談が好きでふざけているが、礼節を重んじる。辛い過去を背負いながらも強い信念を持っており、誰にもその信念を曲げることはできない。

ロードオブザリングではドワーフの存在感薄かったけど、間違いなくアラゴルンより男気高い(確信)。

本作はドワーフが常に13人出演しているため、全編通して非常に活気溢れた状態が維持される。主人公が指輪眺めていじいじしているシーンなどは一切ない。(フロドすいません)

それがホビットを面白くしている要因だと言える。


そして三つ目。
これが最初に貼った曲です。
自分はホビットを観た日から毎日欠かさず口ずさんている。
本作でたった一度、ドワーフ達がこの曲を歌う。
そのシーンこそドワーフ最大の魅力。
ロードオブザリングも曲はかっこ良かったが、本曲は素晴らしい。


以上三点より、ホビットは文句なく面白い。 Q.E.D


さて、感想も終えたところで本題へ。以下ネタバレ増加注意。







Bilbo: I have... I have never used a sword in my life.
Gandalf: And I hope you never have to. But if you do, remember this: true courage is about knowing not when to take a life, but when to spare one.

ビルボ  :僕、、今まで剣なんて使ったことないよ。
ガンダルフ:これからも使わない方が良い。しかしもし使う時は思い出して欲しい。本当の勇気は命を奪う時ではなく、命を与える時に試される。


終始ファンタジーに徹する本作で唯一、メッセージがあるとすればこのシーン。
これは想像以上に深い。
本作ではこのメッセージを受けたビルボが試されるシーンがあるが、この名言は今の世の中の誰にでもあてはまり、更に言えば世界のどの国にもあてはまる。






"勇気を持って立ち向かう事をオレは咎めたりはしない。しかし抜いた剣を鞘に納める勇気を持つ者は殊の外少ない。恐怖は“悪”では無い。それは己れの弱さを知るという事だ。弱さを知れば人は強くも優しくもなれる。"

つまり、何が言いたいのか。
剣を持たないことは簡単だ。
剣を持って相手を傷つけることも簡単だ。
しかし、剣を持って相手を傷つけないことは、本当に難しい。

この真実があるがゆえ、戦争はなくならない。と世界の人々は思っている。
戦争がなくならないことは不変の真理だと。
だが私は少し違うように思う。本作もそれを示唆している。


確かに、既に剣を持っている人間にガンダルフの名言を聞かせても意味はない。
すなわち、世界各国に戦争をなくすことはできない。

しかし、今の日本はどうだろう。
剣を取り上げられて60年以上経った。
剣を使っていた先代は去りゆき、温室育ちで剣を持たないビルボと同じではないか!

確かにビルボはナズグルを倒すことはできない。
ビルボ1人では生き残れない。多くの助けを必要とする。
これは日本も同じである。多くの国の助けを請う必要がある。


最も大事なことは、ビルボは剣を取ったということだ。
そしてその剣で勇気を示した。他のどんな屈強な戦士もできないことだ。
その勇気がやがては指輪を葬るところまで繋がる。最大の悪を打ち倒すきっかけを作ったのだ。
これが日本の取るべき道であると、鑑賞中に確信した。


今の日本は剣を持たないでアメリカという屈強な戦士の後ろをついて回っているだけである。中国や韓国といった敵にアメリカの手の届かない範囲で攻撃され、徐々に体力を削られている。

ビルボは、剣を手に取った時は鼻で笑われた。
「せいぜい頑張って生き残れよ(笑)」
程度にしか思われなかった。しかし、彼は勇気を示し、多くの修羅場を独力で突破した。誰の力を借りることもなく、頭と度胸だけで突破した。もはや彼を笑う者は誰もいなくなり、グループのリーダーは彼を対等の存在として認める。

本当に日本は、このまま剣を取らなくて良いのか。
「剣を持てば戦う」
というのが一般論で、確かにもっともらしく聞こえる。しかし、本当に剣を取らなくて良いのか。

ビルボがもし剣を取らなかったら、既に死んでいるだろう。
そして未来永劫サウロンは倒されなかったはずだ。
世界の戦争をなくせる国がもし世界にあるとしたら、日本しかない。
そう強く意識した。

ホビットを観て戦争を考える
これでおしまい。

2014年1月16日木曜日

【ロボット】日本のロボットと世界のロボット〜所感〜



    Three laws of robotics(ロボット三原則)

    1. A robot may not injure a human being or, through inaction, allow a human being to come to harm.ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

    2. A robot must obey the orders given to it by human beings, except where such orders would conflict with the First Law.ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。

    3. A robot must protect its own existence as long as such protection does not conflict with the First or Second Law.ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

    (Isaac AsimovのI,robotより)


    かの有名な小説「アイロボット」が書かれてから60年。
    ロボットといえばガンダム、エヴァンゲリオン、鉄人28号、マジンガーZ、鉄腕アトム、、、と挙げればキリがない。これほどロボットを愛している国は世界広しといえど日本くらいであろう。
    アニメだけではない。現実世界のロボット技術も今や格段に進化を遂げている。

    まず日本のロボットで最も有名なのがアシモさん。

    次いでアイボさん。

    そしてHRPシリーズ。


    自分もロボットについて勉強してきたつもりだが、全く日本のロボット技術力には恐れ入る。
    自動車作りに大活躍の産業用ロボットも日本強し。

    世界に誇る日本のロボット技術。素晴らしい。しかし・・・

    もったいない

    この一言に尽きる。もったいない。実にもったいない。なぜか。

    実用化に踏み切れないから

    日本のロボット技術があれば、既にあらゆる分野で多機能なロボットを実用化可能だ。しかし日本のロボット研究の原動力は「夢」であり、新しい発想・新しい理論・新しいロボットの研究・開発が非常に盛んである。
    その結果、理論が先行し人々のニーズ(こういうロボットが欲しい!という欲求)とのズレが大きくなってしまった。

    一方、仲良しアメリカさんのロボットはどうか。

    皆さんご存知ルンバさん。


    東日本大震災で活躍するはずだったけど管さんにハブられたパックボットさん

    同じくハブられたウォリアーさん


    こんなロボット、日本でも作れるのに!作る組織もお金もないという驚き。ロボット大国とは・・・

    さらに単機能系ロボット以外にも
    ダイナミックに歩くPetmanさん。

    四足運搬ロボットBigdogさん。


    最早颯爽と走れるWildcatさん。

    宇宙系もわらわらと。





    今やロボット大国・日本と偉そうに言えないではないか・・・この差はもちろん、研究スタイルの差から生まれる。

    つまり、アメリカの方が遥かに高いレベルで産学連携が実現されているってことです。
    産業あっての学問。故に研究・開発の金もあるし、新しい理論も新しい発想もいらない。ただ必要な機能達成のために必要なロボットを作る。必要であれば研究する。

    アメリカばかり持ち上げたがフランスからもNaoさん。


    ドイツからは四足チンパンジーiStructさん。


    ヨーロッパもかなり真剣にロボット開発を行っている。
    日本がここまで追い込まれているのは、実は近年の日本企業とか政治も関係している。

    アメリカがすごい!みたいにここまで書いてきたが、アメリカも昔からすごかったわけではない。
    実は上述した実用的なロボットを作った会社はかなり新しい会社で、ロボット市場という新しいジャンルにチャレンジした結果成功を収めたに過ぎない。

    このチャレンジ精神が、今の日本の大企業からは中々生まれにくい仕組みになっている。かといって安定志向の今、ロボット系のベンチャーも立ち上がってこない。やれやれ、といった事態なわけだ。

    それに追い打ちをかけるのが、政治家の科学リテラシーの無さ。



    これですから。米国は科学系に多額の投資を行う。それが企業に流れ大学に流れ、研究成果は大学から企業へ、開発した物は企業から市場へ。このスムーズな流れを生み出すための最初の一手が多額の投資なのに、日本ではそれがない。

    政治への関心、ロボットへの関心をより高めていきたい。自他共に。
    終わり。